テコンドーの柔軟(ストレッチ)

 テコンドーはその華麗な足技が特徴と言われる様に、豊富な蹴り技が有り、その攻撃範囲は数ある
武道、格闘技の中でも広いと言われています。 実際、後方を含めてリーチの範囲内であれば、ほぼ
オールレンジ(全範囲)攻撃が可能と言えるでしょう。
素早いフットワークからのステップインや跳躍による蹴りが更にそれを活かすのですが、その根本には
身体の高い柔軟性が存在しているのです。
また、柔軟性は単に攻撃の範囲を拡張するだけでなく、別頁でも述べている様にテコンドーの100%の力
を引き出す「力の要素」を最大限に活かす為の前提条件でもあるのです。 その他、怪我の防止の為の
大きな要素にもなっています。

ここでは、テコンドーを実践する際の体の柔軟性を高めるストレッチ方法を紹介致します。
当道場では下記の様なストレッチを練習毎に行い、各修練者の柔軟性を高めてから練習メニューを消化して
ゆきます。

重要な事は、オーバーストレッチングにより筋や腱を傷める事のない様に無理の無い範囲で十分に時間を
掛けて行う事です。
また、筋を伸ばす動作の時には関節の緊張が解かれる様に「フ〜〜〜。」と息を長めに吐くと効果的です。
特に体が硬いと感じる方でも毎日継続的に行う内に数ヶ月間で柔軟性が向上します。
毎日少しずつでも長い期間を掛けて正しい方法でストレッチを行う事が柔軟性を高める為のコツです。

1.1人で行うストレッチ

胡坐をかく姿勢から両足の裏を合わせ、両膝を上下に動かして内股を伸ばすのストレッチです。最終的には両膝側面が床に付ける様にします。
左右に両足を開いて爪先を引いて前方に体を倒します。両脚は腰が後ろに残らない様に骨盤前面を床に伏せるイメージで行います。脚は180°を目標に左右に開き、上体の肘、額、顎、胸、腹を順に床面に付ける様に倒す事を目標にしましょう。最終的には上から見た時に「土」の字の形になれる事が理想です。左右に上体を揺すりながら、内股を軽く拳で叩いてマッサージしながら徐々に進めてゆきます。
左右の脚を体の前後に開きます。上体は床面に垂直な姿勢を保ち、爪先は引いて膝裏を伸ばす様に行います。前方の脚は脚の後方面が床面に付く様に、後方の脚は脚の内側面が床に付く様にします。体を上下に軽く揺すって大腿上部の前面と後面の筋を伸ばすイメージで行います。左右ともじっくり時間を掛けて行います。

<2.2人で行うストレッチ

ストレッチを行う者は左右に両足を開いて爪先を引き、上体は床面に垂直になる様にします。補助者は相手の両スネ内側に足裏を付けてストレッチを行う者の帯を持って後方に引っ張ります。左右に脚を残したまま骨盤を前方に引き寄せるイメージです。また、ストレッチを行う者は補助者が帯を引っ張るタイミングに合わせて息を吐く様にします。脚が180°左右に開く事を目標にストレッチを行います。
左右に両足を開いて爪先を引いた状態で体の側面方向に上体を倒すストレッチです。補助者は上体を倒した方向と反対側の脚が前方に動かない様にストレッチを行う者のスネの内側に足を置き、ストレッチを行う者の体側を押します。大腿前上部、側部の筋を意識して、上体だけでなく股関節を軸に体を折る要領で行います。
ストレッチを行う者は左右に両足を開いて爪先を引いて前方に体を倒します。両脚は腰が後ろに残らない様に骨盤前面を床に伏せるイメージで行うのは一人で行うストレッチと同じ要領です。補助者はストレッチを行う者の腰部に手を当てて腰を前に押す様にします。脚は180°を目標に左右に開き、上体前面を床面に伏せる様にします。最終的には上から見た時に「土」の字の形になれる事が理想です。補助者はストレッチを行う者の体に無理が掛からない様に調節してください。
ストレッチを行う者が壁を背に立った状態から補助者が脚を前上方に引き上げるストレッチです。最終的には上げた足の爪先がストレッチを行う者の頭越しに壁の上部に付ける事を目標にします。ストレッチを行う者は両脚の膝が曲がらない様にし、且つ床面の足が爪先立ちにならない様に注意して行います。
ストレッチを行う者が壁に向かって立った状態から補助者が脚を後上方に引き上げるストレッチです。ストレッチを行う者は肩越しに上げた足のカカトを見る様に姿勢を保ちます。脚は180°を目標に上下に開く事を目標にします。補助者は上げた脚の膝が曲がらない様にし、カカトを上に向ける様にして脚を上方へ引き上げます。

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