第16回全日本テコンドー選手権大会
岡澤 一 師範 ヘビー級 優勝!!
・新しい会場、新しいルール、新しい挑戦者!
去る2005年4月3日(日)、町田市総合体育館メインアリーナにて第16回全日本テコンドー選手権大会が開催
され、多くのテコンドーファイターが集結し、その技と精神を競い合いました。
町田市総合体育館メインアリーナは収容観客数において代々木第2体育館に匹敵する規模の施設で、主催者の
意気込みを感じる会場でした。
会場の町田市総合体育館。メインアリーナは手前右の施設。 |
今大会から本来のITFのルールに則りソンカル(手刀)、ソンカルトゥン(背刀)、トゥンジュモク(裏拳)とい
った手技の使用を導入し、ボクシンググローブを着用してのマッソギ(組手)となりました。
更に、韓国のITFから師範クラスのナショナルチームのメンバーも参戦する事となった面で当初から激戦が
予想される舞台となりました。
・連なる激戦!
岡澤道場☆湘南本部からは10名が参戦。
地方大会では上位に入賞する実績のある多くの選手が初戦から苦戦を余儀なくされ、去年の世界大会で
多くの入賞者を輩出した日本テコンドーの層の厚さを感じずにはいられませんでした。
マッソギに強みを見せる岡澤道場勢は岡澤師範がヘビー級優勝、田部指導員がマイクロ級準優勝、結城選手
が3位に入賞して気を吐くこととなりました。
白熱した試合が多く見られただけに見どころも多かったが、限られたスペースでお伝えするのは難しい
ので岡澤道場在籍の選手の戦績を中心にマッソギに焦点を当ててお伝えしましょう。
湘南大応援団。 紫の御旗と 『 OKAZAWAR 』 は必需品。 |
手前から今回出場の芹澤選手(型1段)、 宮下選手(ミドル級組手)、 小野選手(女子無差別級組手)。 |
ライト級組手出場の根本選手。 この日の為に大好きなビールも自粛!? |
初戦のスタンバイに入る岡澤師範。 |
男子型 1段 芹澤 薫 4回戦
男子型 2〜3段 田部豊和 3回戦
女子組手 無差別級 小野多衣子 1回戦
男子組手マイクロ級 田部豊和 準優勝
男子組手ライト級 結城冬人 第3位
根本玄友 1回戦
男子組手ミドル級 石井正弘 1回戦
宮下宗一郎 1回戦
男子組手ヘビー級 岡澤 一 優 勝
尾登 剛 1回戦
全日本出場経験もある実力者、尾登選手(手前)の組手 | 地方大会で優秀な戦績の小野選手(右)は全日本初出場。 |
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マイクロ級は世界王者の田部選手が準決勝で元同門同士であり、以前全日本の準決勝で激突した事もある
小野選手との勝負を制して決勝進出。決勝は元全日本チャンピオンでキックボクシングのリングでも活躍する
卯月選手との争いとなった。あえてノーガードの隙を作って誘い込んだ対戦相手を討ち取る「卯月流」
は今も健在。攻める隙をうかがう田部選手と卯月選手の駆け引きは一瞬の油断も許さない緊迫した状況で進む。
2ラウンド目、緊迫した流れは変わらず、途中、田部選手もノーガードで応じる光景も見られたが随所で攻撃
し合う両者の素早い動きに観客から応援の声が投げられる。結果、2-0で卯月選手が勝利を収め全日本王者に
返り咲いた。
卯月選手の跳び前蹴りが田部選手を襲う。 | 田部選手もパンチで突っ込みをかける。 |
インターバル中に気合を入れる田部選手。 | ノーガード合戦。 攻めあぐねる両者の気持ちが観客にも伝わる。 |
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最もエントリーが多かった男子ライト級は、全日本初出場ながら並み居る強豪を下して結城選手が準決勝
に進出。キックに参戦し勝利の経験もある所沢道場の梅澤選手と激突。初盤から探り合いという言葉さえ忘
れさせるガチンコ勝負に当の選手も観客も大興奮。蹴りを蹴りで弾き返すといった激しい鍔迫り合いや、
顔面にクリーンヒットの突きが炸裂する等、非常に見応えのある試合内容となった。最中、梅澤選手と
結城選手がグローブを合わせ合って互いを称える仕草を見せるなど微笑ましい光景も見られたが、突き
の連打と隙を逃さぬチャギの攻防に両者の気迫が感じられ、多くの試合の中でも指折り数える中に入る様
な好試合となった。
足のボクシングさながらの攻防。 | 顔面パンチが交錯! |
突きでプレッシャーをかける梅澤選手と見切りと素早さで応じるTKDアカデミーの岸選手の決勝対決は
岸選手が制し、世界選手権出場を果たした実力が伊達ではないことを見せ付けた。
跳び突きで一気に間合いを詰める梅澤選手 | 一瞬の隙を突いて廻し蹴りで反撃に出る岸選手 |
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ミドル級は日本一強いと呼び声の高い町田道場の高木選手と、恵まれた体格から放たれる長いリーチを
生かして安定した力を誇る相手選手の決勝となった。スペシャルテクニックでも2m48cmの同位
優勝を果たした2人の勝負となった。終始プレッシャーをかける高木選手と随所で返しを見せた互いの
鬩ぎ合いは高木選手に軍配があがった。高木選手は今大会MVPにも輝いた。
じりじりと間合いを詰める高木選手。 | 実力者同士の戦いに観客も息を飲んで見守る。 |
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ヘビー級は元全日本王者として安定した力を見せる岡澤選手と浜松の原田選手との間での決勝。パワー
ブレイキングでも圧倒的な力を以って他者を引き離し、6枚撃破を巡って優勝争いを演じた二人が再度激突
することとなった。探り合いの隙を突いて速く鋭い踏み出しから畳み込む岡澤選手の蹴りと突き、
ハイパー級(スーパーヘビー級)の勢いのある原田選手の突っ込みからの突きは流石に重量級の頂上対決ならでは。
攻める機会を伺い、動く原田選手に対し岡澤選手もカウンターで応戦する。確実にポイントを重ねる岡澤選手に対して
、原田選手も重い突き、廻し蹴りのコンボを決める。恒例の『 岡澤コール 』が響き渡る中、
原田コールも沸き上がり、大会のクライマックス到来を告げる。
結果は、終始攻撃を続け試合終盤に原田選手の突進を止めた 岡澤選手が4-0の勝利をモノにし、
全日本チャンピオンの称号を再び手中に収めた。
間合いを合わせて放たれる、180度回転跳び横蹴り。 | じりじりとした緊張の隙をついた一瞬の攻防戦。 |
186cm,130kg 巨漢 原田選手の必殺コンボ。体重の差は 50kg以上、岡澤選手ピンチ! | |
気持ちと気持ちの、ぶつかり合い。お互い、一歩も譲りません。 | |
両者に向けてコールがかかる中での、一瞬の隙も許さない激しい激突。 |
岡澤選手が勝利を収め、全日本王者に返り咲く。 | セコンドについた盟友、田部選手と握手を交わす。 |
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勝利後、岡澤師範は平伏してコートにキスを捧げ、観客席に向かい体いっぱいに勝利の喜びを表して岡澤
コールの応援に応えました。
己が人生を掛けてきたコートにキスを捧げる。 15年連続出場は前人未踏である。 |
「期待に応える」と言いながら実現させてしまう。 有言実行の「漢」である。 |
大会終了後、サービスショット撮影の要望に応え 、横突き蹴りのポーズをとる田部指導員。 |
トロフィーを片手に入賞者の記念撮影に向かう 岡澤師範(36才)。来年の大会もお願いします! |
〜 記 録 〜 中村 潤哉
第16回全日本テコンドー選手権大会 競技結果
トゥル(型) | ||||
種目 | 優勝 | 準優勝 | 3位 | |
女子一段
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佐々木文子(八王子)
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吉田亜未(八王子)
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雪本 舞(秦野)
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人見早苗(八王子)
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男子一段
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佐藤和明(立川)
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築地孝典(八王子)
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小山 瞬(上田)
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鶴田智也(甲府)
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男子二・三段 |
近藤憲二(上田)
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山岸康二(長野)
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野中賢一(松本)
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須田洋光(町田)
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マッソギ(組手) | ||||
種目 | 優勝 | 準優勝 | 3位 | |
女子無差別級
|
吉田亜未(八王子)
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李 美希(仙台)
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橋本美雪(八王子)
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佐々木文子(八王子)
|
男子マイクロ級 |
卯月昇(セントラル八王子)
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田部豊和(湘南)
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全 徹寿(神戸)
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小野大地(世田谷)
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男子ライト級
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岸 玄二(TKDアカデミー)
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梅澤 潔(所沢)
|
鶴田智也(甲府)
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結城冬人(鎌倉大船)
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男子ミドル級 |
木浩二(町田)
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片岡知康(秦野)
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黄 龍三(韓国安山)
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伊地知康弘(町田)
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男子ヘビー級 |
岡澤 一(湘南)
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原田浩直(浜松)
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阿部正一(世田谷)
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郭 勝智(八王子)
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トゥッキ(パワーブレイキング)(スペシャルテクニック) | ||||
女 子 |
橋本美雪(八王子)
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男 子
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木浩二(町田) | |||
ウィリョク(パワーブレイキング) | ||||
女 子 |
関敦子(東京家政学院)
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男 子 |
原田浩直(浜松)
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|||
最優秀選手賞(女子) | ||||
吉田亜未(八王子) | ||||
最優秀選手賞(男子) | ||||
木浩二(町 田) |